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没落前の思い上がり

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Finian Cunningham
2019年7月20日
スプートニク

 思い上がりは、通常差し迫る災難の事前警告だ。極端な横柄さは、傲慢な人に、その力の限界を見えなくする。それで、彼らはやみくもに無謀な行き過ぎた行為を押し進め、悲惨な結果に至るのだ。

 現在イランとの緊張が高まる中、アメリカ合州国とイギリスは、この狂った思い上がりの典型だ。

 今週ペルシャ湾で、イランがイギリス貨物船を拿捕した後、イギリスのジェレミー・ハント外務大臣が、イランの動きを「不適切だ」と非難し、テヘランは「危険な道を選択して」いると警告した。

アメリカのドナルド・トランプ大統領もイランを非難した。「我々には最も偉大な艦船、最も致命的な艦船があるが、我々はそれらを使わなければならないのを望んでいない」と彼は金曜ホワイトハウスで記者団に語った。「我々は彼ら[イランの]のために、彼らがばかげたことをしないよう希望する。もし彼らがそうすれば、彼らは、これまで誰も支払ったことのないような代償を支払うことになるだろう。」

 イギリスはイランがイギリスが運用する船を没収するのは不法で、「航行の自由」に違反すると主張している。イランは、それがイラン漁船に衝突した後、狭いホルムズ海峡を通過する上での安全規則に従わなかったので、船を拿捕したと主張している。

 正確な事情が何であるにせよ、ロンドンは、イランに抗議する法律上や道徳的な権限を極めてわずかしか持っていない。テヘランは、イギリス船による違反とされていることの捜査を行っていると主張している。イランにはそうする主権がある。

 イギリスの公式反応は、まったく偽善の気配がある。ダマスカスに対する欧州連合の制裁への違反とされるもので、船が石油をシリアに輸送していたという主張で、7月4日、イギリス海兵隊が船に乗り込み拿捕した後、イランの石油タンカーは現在イギリス海外領土、ジブラルタルで拘留されている。

 イランはイギリスによる拿捕を「海賊行為」と酷評し、イギリスの動機の合法性に異議を唱えている。イランをいらだたせるため、ワシントンと結託して、イギリスの行動が意図的に行われたと信じる十分な根拠がある。

甲に許されることは、乙にも許されて当然だ。もしイギリスがイランによる出荷違反とされるものに「法」適用するなら、テヘランは領海ペルシャ湾、あるいはその近くで、イギリス船と推測されるものに、同じことをするあらゆる権利がある。

 イギリスと合衆国の横柄は驚くほどだ。偽善とダブルスタンダードは自滅している。

 イランが緊張を「エスカレートさせて」いるというワシントンとロンドンの非難は、ばかばかしい現実逆転だ。今週、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、もしトランプが、イランから厳しい制裁を撤廃することで報いるなら、紛争を解決するための協議は可能だとアメリカ合州国に要請した。それ以上公正にはなり得ない。

 より大きな構図を想起しよう。危険な状況は、ワシントンが去年イランとの国際核合意から非難すべき離脱をしたことで作られた。それから、4月、トランプはテヘランに壊滅的打撃を与える制裁を再び課して、イラン経済をそれ以上の混乱に追いやったのだ。このような経済戦争は国際法の下で非合法だ。イラン系アメリカ人評論家ソラヤ・セパフポール・ウルリッヒが適切に表現しているように、それは「経済テロリズム」だ。

 5月、トランプ政権はギアを入れかえ、軍艦とB-52核搭載爆撃機をペルシャ湾に派遣し、裏付けのない、イランによる安全保障の脅威から「守る」と称する軍事攻撃としか呼びようのない政策に着手した。

 これまで二カ月間、アメリカ合州国がイランのせいにした、商用船舶に対する一連の妨害工作事件があった。イランはいかなる関与も否定し、事件は、テヘランに罪を着せようとする悪質な勢力が画策していると推測している。

 今月早々のジブラルタル沖でのイギリス奇襲部隊によるイラン石油タンカー拿捕は、同じ意図的挑発のパターンに当てはまる。

 だから、イギリスのジェレミー・ハントが、法律上の誠実さと、正義という傲慢な態度をとった際の思い上がりは、到底耐えられるしろものではなかった。

 ワシントンとロンドンは公式に、イランとの戦争を欲しないと言った。だが他の全ての兆候が、彼らが戦争をする用意が調っていることを示唆している。おそらく連中は、軍事力を自慢して見せびらかせば、イランを震え上がらせ、慈悲を嘆願させるのに十分だと思っているのだ。それは要するに国家テロだ。

だがイランは、その指導部が何度も繰り返し警告しているように、一筋縄ではゆかず、おもちゃではない。テヘランはアメリカ合州国とイギリスが戦争を始めるかもしれないが、「それを終わらせる」のはイランだと言っている。

 イラン軍の防衛は手ごわく、イラン・ミサイルが、アメリカとイギリスの軍艦を海底の藻くずにできることは疑いようがない。

 我々は、軍事衝突が地域戦争や、世界戦争にさえ爆発しかねない、地政学的に極めて危険な緊急事態状態にいる。アメリカと、そのイギリス・ブルドッグが、面目を失う状態で、本当に心配なのは、連中の極端な横柄さが、思いも寄らぬもの、つまり核兵器で、連中の大惨事を崩壊から救う気にさせかねないことだ。

 没落前の思い上がりは、腐敗したアメリカとイギリスのならず者政権だけを巻き込む没落の可能性がある。しかし恐ろしくて考えたくないのは、没落が、膨大な人数の無辜の人々や、我々が知っている地球さえ巻き込むかもしれないということだ。

 しかしながら、一つ反駁不能なことがあるように思われる。イランと世界の他の国々に対するアメリカとイギリスの犯罪的ないじめは止めなければならない。世界は、もはや連中の極端な無法状態を大目に見ている余裕はないのだ。

 本記事の見解、意見は筆者のものであり、必ずしもスプートニクのものを反映するわけではない。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーやアイリッシュ・タイムズやインデペンデント等の大手マスコミ企業で、編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201907201076306024-hubris-before-the-fall/

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 IWJガイドの見出し。「参加などするな」としろうとは思う。彼らがころべば、簡単に三分の二。

日刊IWJガイド「参院選で9議席も減らしながら『改憲議論をすべきという国民の審判』!? 改憲スケジュールまで提示した安倍総理の呼びかけに国民民主の玉木雄一郎代表は『憲法の議論には参加する』!」 2019.7.24日号~No.2505号~(2019.7.24 8時00分)

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名をコピーさせていただこう。

日本国内は対韓経済制裁を7割近くが支持。だが国際社会は支持するか。米国の経済・金融の通信社ブルームバーグは社説で、「両国が不当と感じる理由があるのは事実。安倍首相の対応は非常に偽善的。更に日本のサプライヤーは市場シェアを落とし、信頼性を落とす」

 題名で、孫崎氏が『日米開戦の正体』の「はじめに」で、書いておられるのを思い出す。

日本は今「あのとき」と同じ曲がり角にいます。

 


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