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ロシア無しでは破滅の運命にあるチェコ共和国

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Pyotr ISKENDEROV | 13.02.2015 | 00:00
Strategic Culture Foundation

日曜日の国営オンライン新聞ブレスクのミロシュ・ゼマン・チェコ大統領インタビューは、自立した思想家として有名なチェコ国家元首とはいえ、いつになく毅然として、辛口だ。ゼマンは事実上、欧州連合内には、対ロシア経済制裁に反対している国々の集団があると認め、欧米とロシアとの関係では、政治対立より、貿易と経済協力を優先すべきだと主張した。

“私はクレムリンの宣伝屋ではない。ドイツ首相、スロバキアのロベルト・フィツォ首相や、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相等は、皆私より経済制裁に批判的だ。私はまともな人間だ”、というのが、ミロシュ・ゼマン・インタビューの主調だ。彼の姿勢の理由と、一体なぜチェコ指導者が、一見、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領 の“後援者”となるのを引き受けているのかと問われ、チェコ大統領は述べている。“第一に、私が最後にプーチンに会ったのは15年前のことだ、第二に、私はプーチンを助けているわけではなく、経済制裁に苦しむ関係ではなく、チェコ共和国とロシア連邦との間に存在する通常の貿易・経済関連を確保しようとしているに過ぎない。”

ミロシュ・ゼマンによれば、欧州連合は、対ロシア経済制裁解除まで、最大限で一年しかもたない。そうしなければ、EU加盟諸国は、単に莫大であるだけでなく、取り返しのつかない損失を被ってしまう。とりわけ、チェコ企業が、ロシア市場において、地位を回復することが不可能となり、他の国々の企業によって追い出されてしまうが、その先頭の企業は、アメリカ企業だろう。ゼマンは、この国の歴史で、これは以前に起きたことがあると考えている。チェコ共和国がチェコスロバキアの一部だった頃、チェコは、軍事技術分野で、ロシアに協力するのを拒否した。その結果、ロシア市場と世界市場の双方で、チェコは、業務上の信用も市場占有率も失った。“似たようなことが、かつて国防産業で起きた。今、チェコ大統領として、私はそれを防ごうとしている”と、ミロシュ・ゼマン大統領は語っている。

現在の状況では、チェコ共和国は、またしても同様な状況に直面しかねず、チェコ輸入の構造全体が危険な状態にある。独立した情報源によれば、現在のロシアからのチェコ輸入金額は、80億ドルにのぼり、これは、チェコのロシア向け輸出金額に匹敵する。2009年、つまり、世界経済危機の始め以来の、これに対応する維持可能な成長率の数値は特に重要だ。ロシア連邦税関庁によれば、ロシアとチェコ共和国間の貿易は、2009年には、68億ドル、2010年には84億ドル、2011年には99億ドル、2012年には105億ドルにのぼっていた。

特に現在のチェコの好ましからぬ経済状況を考えると、ロシアとの貿易での損失は、チェコ共和国にとり取り返しがつかないものとなりかねない。現在の国際収支は、例えば、チェコ共和国は世界で160番目だ。2013年、チェコは、32.7億ドルの赤字だった。この指標によれば、チェコ共和国は、エチオピア、赤道ギニア、タイやレバノンの後塵を拝しており、いずれも内部抗争に苦しむイエメンとシリアより僅かにましであるに過ぎない。

基本的に、チェコ共和国は、EUとNATOの反ロシア政策の虜になってしまっている。北大西洋条約機構内部には、同盟が、より積極的にウクライナ紛争に関与するのに賛成する国々もあり、プラハは益々それを懸念するようになっている。チェコ共和国は、隣国スロバキアとハンガリーと共に、武器をキエフ政権に提供することには反対だ。反対の声はアメリカ国内でも鳴り響いている。”様々な武器をウクライナに送ることは状況を良くする可能性は低く、[...] 火にアブラを注ぎかねない”と、マイケル・コフマンは、ナショナル・インタレストに書いている。

ミロシュ・ゼマンの賢明な姿勢は、本来伝統的に、ロシアに共感する傾向など無いチェコ社会でも支持されている。オンライン紙チェスカー・ポジツェのジャーナリスト、ガボール・シュティアは、ロシアを孤立化させようという取り組みで、ヨーロッパは、ウクライナ・ナチに目をつぶっていると述べている。赤軍によって解放されたアウシュヴィッツの犠牲者を、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と共に追悼するのを欧米指導者達が拒否した恥ずべき行為を憤慨しながら思い起こし、欧米は、手段は選ばず、過去さえ平気で歪曲すると、チェコ人評論家は書いている。チェコ語ウェブ・サイトのスヴォボドネー・ノヴィニーの筆者ヤロミール・ペトジークも同じことを言っている。ポーランドは、ウラジーミル・プーチンを招待せず、ペトロ・ポロシェンコを招待した。いったいどうして、そんなことが可能なのだろう? 結局、ウクライナ大統領は、自国民に対する戦争、ナチを増殖する戦争を遂行している国を代表している。“わが国の‘民主主義’が再びファシズム側につくだろうとは全く考えたことはなかった。しかし、その日が来てしまった”、ヤロミール・ペトジークは言う。

ブリュッセルは、実際、反ロシア・ゲームに没頭しているが、チェコ共和国は、あの1968年の出来事を覚えているにもかかわらず、ロシアを支持している。

チェコ共和国は既に、ナチスと民主的な欧米の結託が実際どのようなものかという悲劇的な経験を味わっている。チェコ共和国は、モスクワとの貿易と経済協力の恩恵を直接体験している。チェコ人政治学者オスカル・クレイチイーは書いている。ロシアは、EUがロシア市場を置き換われるよりも、もっと迅速かつ効果的に、EU市場と置き換わることが可能だ。ブリュッセルは困難な時期を迎えるだろうと、クレイチイーは考えている。ロシア市場を喪失すると同時に、ウクライナに莫大な資金も投入しなければならないが、それは決して帰って来ないのだ。反ロシア政策は、既にEUに膨大な経済損失をもたらしている。スペイン外務大臣ホセ・マヌエル・ガルシア・マルガジョによれば、“輸出減少のせいで、EUは、これまでに、210億ユーロ失った”。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/02/13/the-czech-republic-doomed-without-russia.html
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1968年、ワルシャワ条約軍による「プラハの春」鎮圧の様子を遥かかなたから見つめていた一人として、驚くべき状況だ。

大本営広報部、電気洗脳箱、グレーゾーン事態について、なにやら論じている。

多国籍軍、実質、同盟国つまり世界最悪の侵略国と、そのお仲間を防衛する、というのが、さっぱりわからない。

同盟国、あるいはそのお仲間に責められる国こそ、本当の犠牲者だろうに。
アフガニスタン、イラク、リビア、そして、シリア。

ヤクザの親分が気に入らない相手の国に、殴り込みをしたり、鉄砲をうったりしたりという暴行をした際には、子分が進んで、親分を相手から守る義務を負う、というのが、「いわゆる集団的自衛権」だろう、ということが、益々わかりやすくなってきた。

不思議に思うのが、画面の下にでる、ツイートというもの。
ツイート、そもそも、鳥のさえずり。
わずか一行で、戦争のような深刻な問題を表現できるのだろうか。俳句ではないだろう。
見ていて、体制支持の声しか表示されないように感じるのは被害妄想だろうか?


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