2022年12月28日
Moon of Alabama
今年半ば以降、ウクライナでの戦争は主に砲兵によって戦われるものであることが明らかになった。
ロシア軍はウクライナが使える量の8倍の砲弾を発射しておりウクライナは明らかにその戦いの弱者だった。アメリカとそのヨーロッパ属国の一部が介入した。約120門のM-777砲と無数の最新車載砲がウクライナ軍に供与された。数百トンの弾薬が送られた。アメリカと一部同盟諸国は大砲の限界を超える可能性があるHIMARSシステムを提供した。
ロシア軍はそれに対応した。補給廠と司令本部を分散させHIMARSシステムの標的数を限定した。またウクライナの大砲が標的を見つけるため使用するドローンを撃墜する電子戦を強化している。
ウクライナ無人航空機の電子的抑制は戦争初期の数か月間キーウ最大の利点の一つを鈍らせた。ウクライナは主にUAVに提供される優れた諜報情報を頼りにロシアの大砲やロケットランチャーの豊富な兵器庫より小さな砲兵兵器をより正確なものにしていた。
しかしロシア電子戦は、これらドローンの操縦や通信を妨げ、ウクライナが期待していた精度を奪った。専門家のミハイロ・ザブロツキー、ジャック・ワトリング、オレクサンドル・ダニリュク、ニック・レイノルズはロンドンの英国王立防衛安全保障研究所の研究で「精度の敗北は部隊の生存にとって致命的だった」と書いた。
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「4回転翼ドローンの平均寿命は約3回の飛行にとどまった」とザブロツキー、ワトリング、ダニリュク、レイノルズは書いている。「固定翼UAVの平均寿命は約6回の飛行だった」そして「全体としてUAVミッションの約3分の1しか成功しなかったと言える。」
実際の戦闘能力を欠いているためウクライナ砲兵はより容易な固定目標に切り替えた。11月下旬再びドネツク市を大砲とミサイルで激しく砲撃し始めた。市内には軍事施設や兵舎さえほとんどないため、これは明らかに対民間人戦争だった。
ドネツク市への影響を示す「西部」地図-12月1日
出典:Live UA map-拡大する
12月5日
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12月18日
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ロシア語の新聞は大虐殺で引き起こされた民間人死傷者について書いた。ドネツク共和国政治指導部は脅威に対する緊急作戦を要求した。
非常に要塞化された最前線では、その線の背後にある大砲をすばやく突破して破壊するのが不可能なためロシア軍は他の手段に変えた買えた。ドネツク周辺のウクライナ大砲と戦うための特別部隊が作成された。より多くの対砲レーダーが移動された。より多くの衛星画像解読者が発砲位置を探し始めた。長距離反撃砲も登場した。
過去10日間で作戦は重要な結果を示し始めた。最近のロシア国防省日次報告の多くは、この対砲兵作戦の結果に注目している。これが昨日のものだ。
対砲兵砲撃戦でドネツク住宅地を砲撃した部隊とともにアメリカ製M-777砲兵システム1基が探知され破壊された。別のM-777砲システムがプレオブラジェンカ(ザポリージャ地域)の付近で破壊された。
ウラガン一基とグラッド多連装ロケットシステム(MLRS)二基がネフスコエ(ルガンスク人民共和国)とセヴェルスク(ドネツク人民共和国)付近で破壊された。
ウクライナの1S1グヴォズジーカ自走榴弾砲二門がクラスノゴロフカとプレチストフカ(ドネツク人民共和国)付近の発射位置で破壊された。
ムスタB榴弾砲四門とD-20榴弾砲20門がクピャンスク(ハリコフ地域)、ヴェリカヤノボショルカ(ドネツク人民共和国)、ノボグリゴロフカ(ヘルソン地域)付近で破壊された。
防空装置がオルギンカ、グセルスコエ(ドネツク人民共和国)、ペレモジュノエ(ザポリージャ地域)付近で3機のウクライナ無人航空機を撃墜した。
更にコストグリゾヴォ(ヘルソン地域)付近でウラガンMLRS二基が迎撃されデバルツェボ(ドネツク人民共和国)付近でアメリカ製HARM対レーダー・ミサイル三機が迎撃された。
そして、これは今日のものだ。
対砲兵砲撃でドネツク住宅地を砲撃するため使用されたアメリカ製M-777砲システム二門とドイツ製FH-70榴弾砲一門がクラスノゴロフカ(ドネツク人民共和国)付近の射撃陣地で破壊された。
グラッド多連装ロケットシステム用ウクライナ戦闘車両三両がセヴェルスク付近で破壊された。
ウクライナのムスタB榴弾砲三門がペトロパブロフカ(ハリコフ地域)、ベレストボイエ(ドネツク人民共和国)、チェルノバエフカ(ヘルソン地域)付近で破壊された。
ウクライナのD-20およびD-30榴弾砲はゲオルギエフカとマリーインカ(ドネツク人民共和国)付近で破壊された。
別の報告によると標的座標を検出してから反撃砲に送信するまでの反応時間は2分に短縮されている。M-777榴弾砲の設定と移動時間は完全に有人で良く訓練された乗組員でそれぞれ最小3分だ。レーダーが発射中のウクライナM-777を検出すると、その砲が移動する前にロシア反撃がくるようになった。
対砲兵作戦は今や完全な成功と呼べる。ドネツク市最後のウクライナ砲撃の影響は12月23日に報告された。作戦はウクライナが銃を使い果たすまで続けなければならない。これまでウクライナは「欧米」が生産できるより遙かに多くの弾薬を依然発射している。
「ウクライナの砲弾使用は控えめに言っても、おそらく月に約90,000発だ」とバージニア州の研究機関C.N.A.のロシア研究部長マイケル・コフマンは先週「War on the Rocks」ポッドキャストで述べた。「これは現在欧米が製造しているより遙かに多い。だから、これら全てが在庫から出てきており、普通預金口座を使い果たすようなものだ。」
ウクライナ側で利用可能な砲が少なくなると新しい弾薬の必要性は減少する。
それは最前線の塹壕に兵士を配置するウクライナにとって悪いニュースだ。彼らが受けている激しい砲撃は既に非常に高い損失を強め増加させるだけだ。しばらくすれば、いくつかの場所で前線が崩壊しロシア軍が通過する空間ができる。
現在の戦闘はバフムート/アルチェモフスクに集中している。ウクライナ司令部は都市を維持するため予備軍を投入した。
恒久的なロシア砲撃下で現在バフムートとその背後に配備されている16個旅団は一つずつ間引かれる。ロシア側に有利な線が少しずつ動く遅い戦いだ。しかし、それはウクライナを非軍事化するよう設計された戦争では非常に効果的な戦いだ。非常に不均一な砲撃のためウクライナの損失はロシアのものより何倍も高くなる。
経済面では、ウクライナはすでに戦争に負けている。「欧米」政府の融資で生活しており、確実にデフォルトするだろう。
ウクライナ政府は戦争中債券市場で資金調達するのに苦労しており、対外援助への依存が深まっていることを指摘する中央銀行の声明によると、投資家に集めているよりも多く支払っている。
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経済は今年約40%縮小し、税収を枯渇させ、成長に拍車をかけるはずだった以前に計画された支出を無期限に延期すると予測されている。月曜日に発表された中央銀行声明は、戦争によって引き起こされたウクライナの資金調達不足の目に見えない側面を指摘した。市場で資金調達できないのだ。2月24日にロシアが侵攻して以来ウクライナは戦前に蓄積された債務を繰り越しできなかった。中央銀行によると国は投資家に、その間に債券販売で集めたより約22億ドル多く支払った。
これら全てから独立後の最良の時期に不安定だったウクライナ財政はアメリカ、欧州連合、個別に寄付するヨーロッパ諸国その他寄贈者の支援に大きく依存している。
アメリカが支配するIMFでさえこのブラックホールにこれ以上資金投入するのを望んでいない。
ウクライナ議会で可決された来年度予算には約360億ドルの赤字が含まれている。計画された支出の約半分は軍隊、警察、その他の軍事費のためだ。今年の赤字はさらに大きくなり、月に約50億ドルになった。
独立後長期にわたる金融危機を通じてウクライナを救済した国際通貨基金は戦争中大規模な融資を継続していない。「彼らは債務の持続可能性を懸念している」とキーウ経済学部教授である元経済大臣ティモフィ・ミロヴァノフは述べた。「IMFが債務の持続可能性と資金調達能力について懸念しているなら個人投資家が何を考えているか想像頂きたい。」
対照的に、ロシアとの国際貿易は今年活況を呈しており、プーチン大統領が最近言及した財政数値は「欧米」の数字より良く見える。
第一に予想された経済崩壊は起きなかった。確かに私たちは落ち込みを記録した。数字を繰り返そう。ロシア経済は縮小するという見込み、あるいは予測や希望があった。GDPは20%以上、20〜25%減少するという見方もあった。確かにGDPは減少しているが20〜25%ではない。実際には2.5パーセントだ。それがまず一つだ。
第二に先ほど申し上げた通りインフレ率は今年12%強になるだろう。これも最も重要な指標の一つだ。これは、G20諸国を含む他の多くの国よりもはるかに優れていると思う。もちろんインフレは良くないが他の国よりも低いのは良いことだ。来年について既に言及したが、第1四半期の経済実績に基づき、4〜5%の目標に向けて努力する。そしてこれはインフレが増加している他のいくつかのG20諸国と異なり非常に良い傾向だ。
失業率は3.8%と過去最低だ。私たちは財政赤字を出しており、これは本当だが、それは今年、来年もわずか2%で、それから1%と予測されており、2025年には1%未満だ。私たちは約0.8%を予想している。他の国々つまり発展途上諸国といわゆる先進市場経済諸国の両方が遙かに大きな赤字を抱えているのを指摘したい。アメリカは5.7%、中国は7%以上だと思う。全ての主要経済国は5%を超える赤字を抱えている。私たちはそうではない。
これは自信を持って2023年に移行するための優れた基盤だ。
戦争が終われば、ウクライナは何世代にもわたって支払えない信じられないほどの量の債務を抱えることになる。外国人に売り払う土地はもはやなく価値ある産業も残っていない。
ロシアに対する'欧米'制裁戦争を考え、設計し、実行した連中はウクライナと'欧米'に、誰もが想像していた以上の打撃を与えた。だが彼らはロシアを傷つけるのには完全に失敗した。彼ら全員実証された無能さのため解雇されるべきだ。
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マグレガー氏とリッター氏の比較的新しい映像を再度拝見。冒頭で彼のことをロシアの手先と呼ぶ連中に反論。私は誰からも金を貰っていない。戦争反対の一念で発言している。連中こそ軍産複合体の手先。そもそもアメリカにまともなシンクタンクなど存在しない。連中はAdvocacy tankだ。(体制の)意見主張機関。プーチンのウクライナ侵攻当初の間違いは、彼が欧米とまともな交渉ができると誤解していたこと。欧米はロシアと本気で交渉し約束し守る意思ははなから皆無だった。
The catastrophe on the ground | Douglas Macgregor & Scott Ritter
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