2014年2月12日
Paul Craig Roberts
西ウクライナの抗議行動は、CIAやアメリカ国務省や、CIAや国務省と協力して動いている、アメリカ政府とEUから資金を得ている非政府組織(NGO)によって組織されている。抗議行動の目的は、ウクライナの独立政府による、EUに加盟しないという決定を覆すことにある。
アメリカとEUは、当初、ウクライナの独立を破壊し、ブリュッセルのEU政府に従属する存在にするという目的で協力していた。EU政府にとっての狙いはEUの拡張だ。アメリカ政府にとって、狙いは、ウクライナで、アメリカの銀行と大企業による掠奪ができるようにし、アメリカ政府がロシア国境に更に多くの軍事基地を得られるようウクライナをNATOに引き込むことだ。世界にはアメリカの世界覇権の邪魔になっている国が三カ国ある。ロシア、中国とイランだ。これらの国々はいずれも、アメリカ政府によって、打倒するか、プロパガンダとアメリカ軍基地で、その主権を傷つけて、こうした国々を攻撃を受けやすくし、こうした国々にアメリカ政府の意志を受け入れるよう強要する標的となっている。
ウクライナに関して、アメリカとEUとの間で持ち上がった問題は、ウクライナ乗っ取りは、ロシアに対する直接の脅威なので、ヨーロッパへの石油と天然ガスをロシアが遮断し、もし戦争があれば、ヨーロッパは完全に破壊されることに、ヨーロッパ人が気がついたことだ。結果的にEUは、ウクライナの抗議行動を挑発するのを止めたくなったのだ。
ワシントンの腕の中に飛び込むことで、独立が実現できると信じ込んでいる愚かなウクライナ国民に、アメリカ政府が押しつける予定のウクライナ政権閣僚人選をしていた、二枚舌オバマに国務次官補に任命されたネオコン、ビクトリア・ヌーランドの対応が、“くそくらえEU”だ。かつて私は、アメリカ国民ほど愚かな国民はいないと思っていた。西ウクライナ人は、アメリカ人より愚かだ。
ウクライナで“危機”をでっちあげるのは簡単だ。ネオコン国務次官補のビクトリア・ヌーランドは、2013年12月13日、ワシントンの記者クラブで、ウクライナでの扇動にアメリカは50億ドル“投資した”と語った。http://www.informationclearinghouse.info/article37599.htm危機は本質的には、ロシアの圧政に対する現実離れした考え方が強力で、東ウクライナよりロシア人の人口が少ない西ウクライナにある。
西ウクライナは、ロシア憎悪で、全く機能不全に陥っており、だまされた抗議行動参加者は、EU加盟がウクライナ独立の終焉であり、ブリュッセルのEU官僚や、ヨーロッパ中央銀行と、アメリカ大企業に支配されることを意味するのが分からないのだ。おそらくウクライナは二国になるだろう。西半分は、EUとアメリカの大企業に与えられ、東半分はロシアの一部として再合併され、アメリカが存在する限り、ウクライナ人全員がそのまま暮らすこととなろう。
西ウクライナでのロシア不信のおかげで、EUとアメリカは面倒なことを簡単に引き起こせる。ワシントンとヨーロッパで、ウクライナの独立を破壊したがっている連中は、独立したウクライナを、ロシアの人質として描き、一方、EUに加入したウクライナは、アメリカとヨーロッパの保護下に入るとしている。アメリカ政府は、ウクライナ内のNGOに注ぎ込む膨大な額の資金で、この思想を広め、この国民を愚かな興奮状態へと導いている。私の人生で、自国の独立を破壊するウクライナ人抗議行動参加者ほど愚かな人々を見たことがない。
アメリカやEUから資金提供を受けているNGOは、彼等がそこで活動している国家の独立を破壊するよう作られた第五列だ。そうした組織の中には“人権擁護団体”を装うものもある。他の組織は“教育プログラム”や“民主主義構築”を装って、人々を洗脳する。その他の組織、特にCIAに運営されているものは“プッシー・ライオット”等の様に挑発を専門にしている。こうしたNGOで正当なものは、もしあったにしてもごくわずかだ。だが彼等は傲慢だ。あるNGOのトップは、イラン選挙前に ムーサヴィーはアメリカ政府とCIAの候補者であり、選挙の結果、緑の革命になると宣言していた。彼はアメリカ人納税者のドルで、彼等を資金援助するのを手伝っていた為に、それを事前に知っていたのだ。当時それについて書いたことがある。その記事は、私のウェブサイト、www.paulcraigroberts.orgにも、最新刊の著書How America Was Lostにもある。
ウクライナ人“抗議行動参加者”は暴力的だが、警察は自制している。アメリカがウクライナを手に入れられるよう、抗議行動を反乱へと変えようと願って、抗議行動を継続し続けることに、アメリカ政府は大いに関心を持っているのだ。今週アメリカ下院は、暴力的抗議行動が警察によって鎮圧された場合には経済制裁をすると脅す決議案を可決した。
言い換えれば、もしウクライナ警察が、暴力的な抗議行動参加者に対して、アメリカの警察が平和的抗議行動参加者に対して振る舞うのと同じように振る舞えば、アメリカ政府がウクライナ内政に介入する理由になる。アメリカ政府は、ウクライナの独立を破壊する為に抗議行動を利用しており、アメリカ政府は、ウクライナの次期政府として就任させる予定の傀儡リストを既に用意している。
記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/12/washington-orchestrated-protests-destabilizing-ukraine/
----------
大雪のおかげで、ネズミの額の庭木が二本おれた。
スポーツに全く疎いので、ソチ・オリンピックの状況も結果も良く知らない。それほど疎くとも、葛西が銀メダルというのを聞いて驚いている。羽生の金メダルも素晴らしい。
しかし、大本営広報部があおる愛国心推進報道を見て「同じ日本人として嬉しい」と思う以上に、大本営広報部が報道管制しているTPPについて、TPP担当相が、なんとしても、まとめたいとして、土下座外交のために宗主国にでかけたこと、TPPの先駆である国家戦略特区推進、岩盤規制突破の都知事誕生を、「同じ日本人として恐ろしく」思っている。
会長氏の発言が問題になっているが、定時ニュース、既に文字通り大本営放送。昨日の夕方のTBSの報道番組は、BBCとの比較、あるいは、ブレア首相と戦って首になったBBC会長の正論を紹介する硬派の内容だった。
大本営広報部が報道することはどうでもよいことばかり。庶民生活に未来永劫影響があるのは、放射能だけではない。
都知事選の本当の最大争点は、大本営広報部が報道しない「国家戦略特区」「岩盤規制廃止」だっただろう。
宗主国・支配者である大企業の狙い、TPP推進の意図を汲んで、同化を推進する結果がどうなるか、歴史をみればあっという間にわかる。
何度も申し上げる。「私の闇の奥」藤永茂氏による『アメリカ・インディアン悲史』と『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪 』をお読み願いたい。
朝刊二面には、
国民投票法改正へ維・み、協議前向き 自民、野党分断の布石に
という見出し。記事には自公案と各野党の主張という表がある。そこにある野党の名前を見ると、民主党、日本維新の会、みんなの党、結いの党のみ。お殿様ではない脱原発も主張する候補を支持した二つの政党の名は見当たらない。羊頭狗肉。 ここにあげられた政党、自民と一緒に、「経費削減の為」議員数を減らそうと主張している。もちろん建前、狙いは少数派野党の発言力封殺だ。
野党どころか、せいぜい「ゆ党」。大本営広報部では、「よ」を野とかくのだろう。
宗主国の侵略戦争に派兵・参戦することが目的の「壊憲」を推進するための国民投票法改悪。その横には、「都知事選挙について、分裂選の中心でノーサイドを叫ぶ」という記事があり、「分裂の苦悩」に触れているが、記事は、むしろ民主党について書いているようにも読める。ノーサイドという対象に、極少数派の社民・共産は入らないのだろうか。結局、大本営広報部も売国支配政党・政治家、大企業支配層同様の犯罪集団だという確信、深まるばかり。
ところで、子供の頃、廣澤虎造の浪曲をラジオで聞いていた。「石松三十石船」も。祖父が聞いている横で聞いていた。
金比羅参りに行く渡し船の中、客の間で「次郎長の子分で、誰が強いか」という話がでる。
そこで、森の石松が「呑みねぇ、呑みねぇ、寿司 食いねぇ、もっとこっちへ寄んねぇ。江戸っ子だってねぇ」 というアレだ。
石松は我慢ができなくなって、「誰か忘れちゃいませんか?」と聞く。そこで、
かつて私は、アメリカ国民ほど愚かな国民はいないと思っていた。西ウクライナ人は、アメリカ人より愚かだ。
とおっしゃるロバーツ氏にも「誰か忘れちゃいませんか?」と聞きたくなる。
世界最高の完成度にある属国社会は、新自由主義抵抗勢力への憎悪から、全く機能不全に陥っており、だまされた脱原発運動参加者は、新自由主義抵抗勢力を排除し ようとしている党派への支持が、属国にわずかに残された自由な選択の終焉であり、ワシントン官僚や、準備金制度や、アメリカ大企業に支配されることを意味するのが分からないのだ。