2020年9月25日
ケイトリン・ジョンストン
トランプは悪い大統領だ。彼はアメリカでも世界中でも少数の支配者を甘やかし、コロナ流行への対応でへまをして、それに関してウソをつき、暴力を刺激し、憎悪を煽りたて、普通のアメリカ人のためには何もせず、環境破壊を促進し、外交政策に関しては、彼がした良い判断より、まずい判断の方が遥かに上回り、もし11月に負けた場合、穏やかな政権移行期間を保証するのを彼は最近拒絶しており、これは気がかりだ。
とは言え、トランプは無類の悪大統領ではない。彼をそう見なす唯一の理由は、トランプや前任者の指導下、アメリカの戦争機構に殺された大半茶色の肌の何百万人もの人々よりも、アメリカ人の命の方が遥かに重要だと信じることだ。
9月11日以後だけで、世界完全支配を目指す地政学的に重要な地域の支配を強化しようとするアメリカ軍に数百万人もの人々が殺害され、何千万人もの人々が強制退去させられている。この虐殺を容易にする上で、トランプは前任者連中と何ら変わらない。際立っているのは、大統領任期中に、アメリカ人にもたらしたストレスの量だ。
トランプ政権で、アメリカ人が経験しているストレスや混乱や懸念を軽視するつもりはないが、トランプが、彼以前の代々の血まみれ大統領連中と同然だと言うのも、ばかげている。帝国主義資源支配の思惑と、戦争財閥の利益のために、残酷に殺害された何百万人もの人々の方が、アメリカ人の感情的苦痛より遥かに重要だ。それだけのことだ。読者が私が言ったことに同意しなければ、読者が間違っている。
9月11日以来、アメリカは世界支配を容易にするため、何百万人もの人々を虐殺し、そこに住んでいる人々は、この大統領が実際に良くないから、この選挙がユニークであると言っている。
—ケイトリン・ジョンストン⏳(@caitoz) 2020年9月25日
私は、アメリカ国民が誰に投票すべきか、投票すべきでないかと言っているわけではない。私が言っているのは、統領が無類に悪いから、この選挙が極めて重要だという考え方は、アメリカ人の命は、アメリカ人ではない人の命より、遥かに重要だと考える世界観の産物だと言っいるのだ。それは、アメリカ至上主義の世界観だ。
結果は海外でだけおきるので、信奉者が、そうした結果を見ずに済んでいることを除けば、アメリカ至上主義は他のあらゆる至上主義同様、権力を持った集団は、無力な集団より先天的に優れているとするイデオロギーだ。この理由から、大半のアメリカ至上主義者は、自分が一体何者か分かっていない。連中の政治は全ての人々を平等に扱わないが、その結果は見えず、忘れさられるため、アメリカ人は、事実から自分を切り離していられるのだ。
もしアメリカ人が、何百万人もの移民をアメリカの路上で殺害していれば、それを是認する人々と、是認しない人々の間で、この問題は必ず分裂を引き起こしていたはずだ。だがアメリカ人は、そうした残虐行為を見なければならないわけではなく、アメリカ少数支配層の報道機関は、いいなりで、国民から残虐行為を進んで隠すので、結局国民は、残虐行為を推進する現状を支持して、アメリカ至上主義を、自分の基本的立場として、無意識に選ぶことになる。
少数独裁の戦争挑発民主党によるものであれ、少数独裁の戦争挑発共和党によるものであれ、現状政治を支持するアメリカ人は、アメリカ至上主義者だ。彼ら自身そうだとは知らないかもしれないが、そうなのだ。彼らは、権力側連中の利益のためにのみ存在している、アメリカに集中した権力構造を守るため、世界の他の地域の人々が、暴力的に虐殺される政治的パラダイムを支持しているのだ。彼らのアメリカ至上主義世界観が、主要政党が推進する現状維持のために、世界中で毎日、爆発物で、ばらばらにされる人の体より、自分の的不快感の方が遥かに重要だと考えるのを可能にするのだ。
約500人の元国家安全保障当局者たちが、公式にバイデンを支持している https://t.co/nt1V5oPKhb pic.twitter.com/tZ5RoKMMba
- The Hill(@thehill) 2020年9月24日
しかも、そういうことが、当然のことだ思われている。果てしない軍事拡張主義や、爆撃や、飢餓制裁や、冷戦エスカレーションが継続し、議論の唯一の話題は、それを、どう継続するかという具体的詳細や、「Black Lives Matter」と発言する人は共産主義者か否かだということを、アメリカ二大政党は、既定事実として考えているのだ。
そしてもちろん、このようでなくてよいはずなのだ。アメリカは、たまたま化石燃料の近くに暮らしている人々を誰も殺さずに、国内問題だけを気にする普通の国として機能できるはずなのだ。どうして、そうできないかの妥当な理由はない。果てしない大虐殺は、いずれにせよ、普通の人々の役には立たない。
もしアメリカ人が、全ての流血から実際に利益を得ているなら、それはそれだ。それは単なる、ありふれた人間捕食だ。だが実際は、そうでさえない。アメリカ至上主義世界観は、世界最強政府にからみついた少数のエリート社会病質者以外、誰の役にも立たない。人々は、無知で、貧困のまま、自分たちを操る連中の帝国建設に介入するという壮大な発想をしないよう洗脳されているので、普通のアメリカ人は、自分たちに不利益なアメリカ戦争機構の無限の活動に、自己負担で同意しているのだ。
11月に何が起きるかにかかわらず、これは狂気で、継続させてはならない。選挙戦駆け引きの余興で、この非常に重要な事実から目をそらされてはならない。誰であれ、お好みの人に投票いただきたいが、投票が、アメリカ政府の遥かに重要な問題に対処するなどとは錯覚せぬよう願いたい。
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「ナチスが最初共産主義者を攻撃した時、私は声をあげなかった。共産主義者ではなかったから。社会民主主義者が牢獄に入れられた時、声をあげなかった。社会民主主義者ではなかったから。彼らが私を攻撃した時 私の為に声をあげる者は誰一人残っていなかった」
現代の滝川事件、天皇機関説事件。
計画通りなのだろう。有象無象のネトウヨ連中支離滅裂な政権擁護論を叫んでいる。
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植草一秀の『知られざる真実』
九年前に翻訳した記事「腰抜けと売女マスコミ」の末尾に、森嶋通夫著『なぜ日本は没落するか』の一部をコピーした。ついでながら、この「腰抜けと売女マスコミ」も、検索隠蔽エンジンで、しっかり隠蔽されている。ご親切な方も、おられて、そうした検索隠蔽エンジンでなはい、エンジンがあると教示して下さったりする。小生が、言いたいのは、「自分で、自分の記事を検索したい」というのではない。「他の方々が検索しようとしても、大手隠蔽エンジンでは見つからない」隠蔽エンジンの悪行を指摘しているだけのこと。下記翻訳記事をお読み願いたい。この翻訳記事自体、隠蔽エンジンによって隠蔽されている。「支配層によるネット検閲」は存在しないことになっている。話題にさせないのだ。
再度、森嶋通夫著『なぜ日本は没落するか』の一部をコピーしよう。
最後に若干つけ加えておくべきことがある。それらについては後にも触れるが、その一つは没落が始まると国民の気質に変化が生じるということである。没落に際して、日本経済が二極分解すれば、組織された経済騒動や無組織の暴動が無秩序に起こり、国全体が一層深く没落していく。このことはマルクス以来周知のことである。それと同時に他方では国民の自信を高めるために、「心ある」人々による右傾化の動きが生じるだろう。すでにその徴候はある。後にもみるように私は、日本の現在の情況では前者より後者の方に気をつけなければならないと思っている。さらに付け加えれば、こういう動きは国際的に連動していることが多い。
この点に関連してさらに言っておくべきことは、私の没落論では、外部からの影響を全く無視しているということである。一つの外生的要因は天災地変であり、もう.つは人為的災害─戦争─である。今もし、アジアで戦争が起こり、アメリカがパックス・アメリカーナを維持するために日本の力を必要とする場合には、日本は動員に応じ大活躍するだろう。日本経済は、戦後─戦前もある段階までそうだったが─を通じ戦争とともに栄えた経済である。没落しつつある場合にはなりふり構わず戦争に協力するであろう。