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ゴールドマン・サックスとトランプによる壮大な取り込み詐欺

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Matthew JAMISON
2016年12月24日
Strategic Culture Foundation

アメリカ政治史上、最も未熟で、知的に空虚で、邪悪なものの一つだった2016年共和党予備選挙運動は、アイデアや政策は皆無で、遊び場でのいじめレベルのちゃちな中傷に満ちていた。フロリダ州上院議員マルコ・ルビオは、ドナルド・トランプを激しく攻撃し、仲間の共和党員たちにこう懇願した。“我々がここで相手にしているのは、皆さん、詐欺師ですよ。そもそも、彼は彼は普通の人びとのために戦うのだというアイデアで選挙活動をしています。ところが、彼は全生涯を、普通の人びとをぼったくって生きてきたのです”。トランプの言葉によれば、ワシントンDCの政治エリートやウオール街は“アメリカを骨の髄までしゃぶった”のだ。トランプの選挙終幕広告では、対象の非難が、一般には気付かれないよう、賛同を得たい集団しか理解できない表現を用いた反ユダヤ主義に満ちていた。ゴールドマン・サックスのユダヤ人CEOロイド・ブランクファインの姿が画面上で点滅し、語り手が単調に語りかける。“アメリカの労働者階級を略奪し、アメリカの富を奪い取り、その金を極少数の大企業と政治エリートの懐に押し込んだ経済的判断の責任を負うべきはグローバルな権力構造です”。トランプは“問題を解決する”という曖昧な約束で選挙活動をした。“アメリカを再度偉大にする”という彼の空虚な選挙スローガンは、アメリカ、特にオハイオ州、ペンシルヴェニア州、ミシガン州やウィスコンシン州などのラストベルト地域州の白人労働者階級が、ウオール街銀行家たちと結託し、国益のために尽くすより、不正手段で私腹を肥やすことに関心がある東海岸や西海岸の知的、政治的既存支配層にひどく裏切られたと非難していた。

これは、トランプによる驚くべき転位行動、名人芸だった。これは彼が生涯通じてやりとげたものの中で、おそらく最大の取り込み詐欺だ。実際、(負債は言うまでもなく) ウオール街に、実に多くの友人と深いつながりがあり、労働者の利益が、自分の利益追求と一致しない場合には、労働者を踏みにじって経歴を築きあげた億万長者が、アメリカのブルーカラー労働者の偉大な擁護者、救世主となり、“八百長の” DC/ウオール街制度を、普通の人びとのために機能させるようにすると、実に多くのアメリカ人をだますことができようなどと想像するのは困難だった。トランプが、閣僚に選んだ連中を吟味さえすれば、ラストベルト地域の、つらい思いをしている、大半が無学な白人労働者階級に訴えかけるための策略に過ぎなかったことがわかる。2008年世界的金融危機後、重心が、いささか反ウオール街側に移動し、ホワイト・ハウスを支配している民主党が、エリザベス・ウォーレン上院議員やバーニー・サンダース上院議員などの反ウォール・ストリート改革者の影響を受けるようになって、ワシントンDCでは、長年、準ペルソナノングラータだったが、トランプ時代に、ウオール街は絶好調に戻る。

アメリカのあらゆるウオール街投資銀行の中で、最もひどく、邪悪で、危険なのはゴールドマン・サックスだ。色々な点で、これを銀行と呼ぶことはできまい。酷く腐敗した犯罪的職業により近い。マフィアだ。ローリング・ストーン誌は、ゴールドマン・サックスの道義に反する商法を徹底分析し、同社を巨大“吸血イカ”と命名した。ゴールドマン・サックスの腐敗リストは膨大で、それについて十分記述するには本が一冊必要だ。世界金融危機と大不況を引き起こしたサブプライム抵当権スキャンダルにおける、同社の役割は十分に実証されている。ほとんどユーロを破壊した、ギリシャ負債危機における同社の役割も同様だ。同社が顧客に対して行っている詐欺的行為は、日常茶飯事の高いレベルのものだ。残虐で加虐的な政権のための資金洗浄。2015年に、2300万ドルを得た同社CEO、ロイド・ブランクファインのような強欲幹部は、典型的な汚い金儲けをする醜い人間だ。どのように切り分けたところで、誰も、まして銀行家が、一年間の仕事で、それに値するわけがない。おそらくは、医師や教師などの極めて重要な公務員だけだろうが、そのような法外な金額を得ているのは、既に裕福な連中や(彼ら自身)を金持ちにするために動いている連中だ。更に、ゴールドマン・サックスとアメリカ政府の間には回転ドアがある。多くの点で、アメリカ経済は、ゴールドマン・サックスによって動かされている。ジョージ・W・ブッシュのハンク・ポールソン同様、ビル・クリントンの財務長官ロバート・ルービンやラリー・サマーズはゴールドマン・サックス社員だった。

今や、ウオール街とゴールドマン・サックスは、来るトランプ政権の乗っ取りを歓喜している。トランプの首席戦略官、スティーブ・バノンは元ゴールドマン・サックス社員だ。トランプが、アメリカ経済の世話役をつとめる財務長官に選んだ、スティーヴン・マヌーチンなる人物は、元ゴールドマン・サックス社員だ。ゴールドマン・サックス社長、ゲーリー・コーンが、トランプ・ホワイト・ハウスの米国家経済会議委員長になる。これが、ライバル、ヒラリー・クリントンやテッド・クルスをゴールドマン・サックスは“完全に、完全に支配している”といったトランプその人だ。トランプは、しばしばクリントンのゴールドマン・サックスでの講演を引き合いに出し“アメリカの主権破壊を画策するために、国際的銀行と秘密裏に”会っていると非難した。しかし、トランプの元選対責任者コーリー・レヴァンドフスキはこう言っていた。“これはメディアの問題だ。人びとは、ドナルド・トランプが言うことすべてを額面通りに受け取っている。”確かに、もしトランプを、ホワイト・ハウスに送り込んだ有権者たちが、トランプが言うことは眉につばを付けて聞くべきであるのを理解さえしていれば、これからトランプ大統領と、それがもたらす災害は、たぶん避けることができていたろう。しかし偉大なアメリカ・テレビの登場人物、JR ユーイングが言う通りなのだ。“アメリカ国民の愚かさを過小評価してはいけない。”トランプに、いささかの功績を認めねばなるまい。彼は現代で、おそらく最も偉大な詐欺師だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/12/24/great-goldman-sachs-trump-con-job.html
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「ヒラリーよりまし」と思って、記事翻訳をしていたので、宗主国政治の展開には驚かない。二国間FTAで、ぼったくりされるのは必定。こういう海外記事はマスコミには載らない。

孫崎享氏の今日のメルマガを一部引用させていただこう。「安倍首相の広報機関化した大手新聞を定期購読する意義はどこにあるか。 洗脳して下さいというようなもの」

安倍首相の真珠湾訪問を「現職首相としての初」とする評価は相当重い評価である。よほど調べなければ使えない評価である。新聞社が独自に調査して下した評価ではない。安倍政権が説明したから使っただけである。

 今や日本の新聞の質はこの程度に下がった。

・安倍政権が説明した「戦後初」の評価は明らかに誤報であるが、誤報でしたと言う謝罪もない。「自分が判断したのではない」という自信の表れであろう。情けない姿である。
・こうした新聞を定期購読する意義はどこにあるのだろうか。「私を洗脳してください」と言っているようなものでないか。

・米国では紙の新聞離れが顕著である。

中略

オンラインと印刷の新聞は同じではないかという見解もあるが、オンラインは自らの選択でニュースを選ぶ、印刷の新聞は一方的に与えられるという違いがある。

・本来はニュースに接しようと言いたい。しかしそのニュースが権力側の単なる宣伝手段なら読まない方がまだいい。

オンライン・ニュースと言えば、読んだばかりの『スノーデン、監視社会の恐怖を語る 独占インタビュー全記録』の著者インタビューがあるのにびっくり。

IWJ【Ch1】14:30~「岩上安身による小笠原みどり氏(元朝日新聞記者、カナダ・クイーンズ大学大学院博士課程在籍)インタビュー」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※岩上安身が、元朝日新聞記者で、カナダ・クイーンズ大学大学院博士課程に在籍し、監視社会研究を続けているジャーナリストの小笠原みどり氏へインタビューします。小笠原氏は、日本人で初めてスノーデン氏への単独ビデオインタビューに成功。日本での情報窃取のシステムを取材し、記事として発表しました。

そのIWJ、大本営広報メディアと違って、洗脳広告費がないので、財政困窮状態だという。

IWJファンドレイジング・イベント概要】

◆日時:2016年12月28日(水)
    開場 16:00  開演 16:30~終演 18:30(予定)

◆会場:野菜のアイデケーノ  (Aidecheno)
    〒154-0003東京都世田谷区野沢2丁目5-20
    TEL:03-3413-0022
    アクセス http://aidechenosetagaya.wixsite.com/aidecheno-setagaya/contact

◆参加ゲスト:孫崎享氏 (元外務省国際情報局長)
      山田正彦氏 (元農水相・元衆議院議員)
      福島みずほ氏 (参議院議員)
      山本太郎氏 (参議院議員)
      吉田敏浩氏 (ジャーナリスト・『「日米合同委員会」の研究』著者)
      望月衣塑子氏 (東京新聞記者・『武器輸出と日本企業』著者)
               

「ニュースが権力側の単なる宣伝手段なら読まないほうがまだいい」見本。

神津里季生連合会長は記者会見などで再三、「民進党が共産党と手を組んで大きく左旋回することを、多くの人が歓迎しているとはとても思えない」と公言し共産党との連携を牽制。

という導入部に続き、連合トップの本音なるものが、ここ数年購入したことがない大本営広報部雑誌に掲載されているという。そもそも手を組んだら大きく左旋回するという部分が良くわからない。自民党別動隊の面目躍如。頭が汚れるので読まない。

2016年5月22日の翻訳記事「ウィキリークス:選挙で選ばれていないブラジル新大統領はアメリカへの情報提供者」の末尾に書いた文章を再度貼り付けておこう。

サラリーマン十年目頃だっただろうか。メーデー前に、労働組合で若手が集まって、プラカードを描いていた時に、労組の幹部が「共産党だけは駄目だよなあ」というような趣旨の発言をした。「自民党だけは駄目だよなあ」という発言でなかったのに驚いた。以来社会党に投票するのを辞めた。それまでに、民社党という自民党別動隊には絶対に投票すまいと思っていたが。自民党そのもののような面々が多々いる民進党の顔ぶれで、民社党を思い出す。


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