Paul Craig Roberts
2016年5月24日
“約一ヶ月にわたり、ロシア国境沿いの陸上、海上、空で、アメリカとNATOによる着実な軍事力増強を我々は目の当たりにしている。1941年のドイツによるソ連侵略以来、これほどの敵対的兵力がロシア国境に集積したことはなかった。”
アメリカの優れたロシア専門家スティーヴン・コーエン教授(プリンストン大学とニューヨーク大学)は、そう結論付けている。 http://www.globalresearch.ca/russia-has-not-seen-such-amassing-of-hostile-military-forces-on-its-borders-since-1941/5526562
アメリカ政府は夢中歩行していて、目覚める必要があるのか、それとも、アメリカ政府は狂ってしまっていて、戦争をするつもりなのかと、コーエン教授は問うている。
ペペ・エスコバールは、アメリカ政府に“あなた方が望んでいるものにご注意を: ロシアは臨戦態勢にある”と忠告している。 http://www.informationclearinghouse.info/article44725.htm
エスコバールは“本質的にCIA出先機関である”ランド・コーポレーションが、“それ以下の時間ではないにせよ、わずか60時間で、ロシアはNATOを占領できるだろう”と最近結論を出したと報じている。ロシアは、核兵器とミサイル・システムの水準では、予算超過で、利潤をふくらませることに最も関心があるアメリカ軍安保複合体の四世代先を行っている。アメリカの武器体系は、大きく水をあけられてしまっている
しかしながら、ロシア軍最高司令部は、アメリカ政府の攻勢に対する、ロシア政府の控えめな対応を懸念している。将軍たちは、それを、プーチン政権にはびこっている“大西洋統合主義者連中”のせいにしている。この一派は、ドミトリー・メドベージェフ首相の周辺に集まり、欧米の一部として受け入れられるために、ロシアはアメリカ政府に譲歩すべきだと考えていると見なされている。無能なロシア中央銀行と、ネオリベラル経済学者連中も、アメリカ帝国からのロシアの独立に対するこの影響と無関係に、欧米の一部になることを狙いとしている党派の一部だ。
ロシア軍と、政府の中でも国家主権を強調する支配的部分が、政権中にいる、アメリカ政府に受け入れられるためなら、ロシアの独立を進んで傷つけるような連中を排除するよう、プーチン大統領に圧力をかけていることに欧米では、スティーヴン・コーエンと、アラステア・クルックのほぼ二人だけが気がついている。http://www.huffingtonpost.com/alastair-crooke/putin-west-war_b_9991162.html
私自身、ここしばらく、そう考えてきた。脅かされている政府内部に、信用のおけない分派があっては、外部の脅威にしっかり対抗するのは不可能だ。
もしロシアがアメリカ政府の策謀から生き延びるつもりなら、そうせざるを得ないのだが、プーチンが、アメリカ政府工作員連中を、彼の政権からすることを強いられた場合、彼は連中のロシア出国を赦してはならない。もし連中が出国すれば、連中せ、アメリカ政府によって亡命ロシア政府として利用されるアメリカ政府の駒になって終わるだろう。もしプーチンが連中を反逆罪で裁判にかけたくはないのであれば、ある種、全国的な自宅軟禁が解決策となるだろう。
アメリカ政府は、単独覇権を追求して、その結果、欧米に受け入れられることより、ロシアの主権を重要視する民族主義者の陣営に、プーチンを押しやるという誤算をしていると、アラステア・クルックは書いている。 陸上と海上の国境で、軍事力増強をして、ロシアを追い詰め、アメリカ政府の攻勢に応じて、ロシアの対応に妥協を強いる取り組みで、アメリカ政府はNATOを利用している。
欧米に対する、ロシア軍の優位という、エスコバールの説明にもかかわらず、ロシアの独立は板挾みになっている。一方は、ロシアに対する覇権を確立するというアメリカ・ネオコンの決意だ。もう一方は、ロシア志向というより、もっと欧米志向なロシア政府内部の連中だ。
もしトランプがアメリカ大統領になれば、多少の可能性がある、おそらく、ネオコンによるアメリカ外交と軍事政策への支配は停止するだろう。そういうことになれば、ロシアの民族主義者たちが、大西洋統合主義者連中を、政権から排除しろというプーチンに対する圧力を緩和する可能性がある。
もしヒラリーがアメリカ大統領になれば、ロシアに対するネオコンの脅威はエスカレートする。大西洋統合主義者連中は、ロシア政権から排除され、ロシアは全面的な戦争体制に変わるだろう。
準備が整っていなかったロシアが、当時最も強力な軍隊、ドイツ国防軍に何をしたか思い出していただきたい。準備を整えたロシアが、狂ったヒラリーと無能なネオコンに一体何をするかご想像願いたい。
私が以前に書いた通り、ロシアを戦争に追いやることは、アメリカとヨーロッパの終焉を意味しており、核兵器の破壊力を考えれば、地球上のあらゆる生命の終焉を意味する可能性がきわめて高い。
この危機の主な原因は、権力と影響力の座と、ヒラリー大統領選挙活動にのうのうとおさまっているアメリカ・ネオコンのおごりと、思い上がりと完全な愚かさだ。二つ目の原因は、ヨーロッパが分別ある外交政策をできなくし、アメリカ政府が侵略できるように幇助するのをヨーロッパに強いているヨーロッパの隷属状態だ。
これが意味するところは、トランプのことを皆様がどう考えておられるかと無関係に、もしヒラリーに投票されれば、この世の終わりのために投票されるということなのだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。
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今日ほど大本営広報部の下劣さを、もろに肌身に感じられる日、少ないように思う。昼は都知事、後は大統領広島訪問。
どれも悲惨。国営放送。番記者女性大活躍の洗脳ヨイショ番組。テレビなど、見られなくなってもかまわないが、受信料支払い拒否をしたいものだと本気で思う一日。
民放しか基本的にチェック(見ているわけではない)していない。昼は都知事、夜はオバマ大統領広島訪問。
オバマ大統領が推進している、国家主権を剥奪するTPP解説は皆無のまま大絶賛。
沿道に並ぶ属国民を見ていて悲しくなる。自分たちに首吊り縄をしかけている人物に手をふってどうするのだろう?
露骨に言わせて頂くが、わがままな小生がおつきあいしているごく少数の方々に、沿道で手をするような思想の持ち主は皆無だと思っている。
シリアで、ウクライナで、そして中南米で、戦争や政権転覆をしかけている人物の虚言を真に受ける「マスコミ」などあるだろうか?ネジが抜けているか詐欺師だ。
尊敬する藤永茂氏の『私の闇の奥』、最新の話題、まさに『衆愚』。
藤永茂氏、オバマ大統領を以前から稀代のコンマン(詐欺師)と断定しておられた。慧眼。
「敵千万といえども我行かん」という言葉がある。現状「敵一億人といえども我行かん」。人数の問題ではない。大本営広報部の洗脳虚言ではなく、藤永茂の心からの言説をこそ支持する。ガリレオの言葉、「それでも地球は動く E pur si muove」。
下記に該当部分のみ引用させて頂こう。
衆愚 2016-05-23
グレッグ・メロの上掲の文章をもう一度読んで下さい。プラハ講演で、核廃絶を悲願としてきた日本人の心をメロメロにしてしまったバラク・オバマという人物が、政治家として、稀代の大嘘つき、稀代のコンフィデンス・マン(コン・マン、詐欺師)であることを、これほど冷徹な筆致で断定した文章は、ざらには見当たらないでしょう。
もう二度と幼い命は尊いと言うな 2013-08-30
“語り口”など最も脆弱な状況証拠に過ぎないと言わないで下さい。長く生きていると、嘘を吐いている顔は大抵の場合分かるものです。稀代のコンマン、バラク・オバマのポーカーフェイスもちゃんと読めます。
オバマ大統領、医療保険制度、ホンジュラス、コロンビア 2009-11-11
オバマ大統領が来日したときの日本人一般の歓迎ぶりを想像すると、吐き気が催してきます。彼が稀代の「コンフィデンス・マン」、コン・マンであるという、私の信念は揺らぐどころか、ますます強くなっています。
この文章通りの現象が、7年後に起きているだけのこと。
『五十嵐仁の転成仁語』「激突の時代」における「最終決戦」が訪れようとしている5月27日、おっしゃる通り。
文中、品川正治氏の『激突の時代』に言及されていたので、小生がその本に触れた記事をご紹介しておこう。古い記事とおっしゃるなかれ。「それでも地球は動く」。
グリーン・ゾーン: アメリカ軍ゴルフ場地図 2014年1月21日翻訳記事末尾に、品川正治氏の『激突の時代 「人間の眼」vs.「国家の眼」』に関する小生の戯れ言を書かせて頂いた。
5/27の大本営広報部によるサミット・広島訪問賛美一色、初めから全て用意されていた選挙に向けた洗脳プロパガンダに過ぎない。
選挙で自民党・公明党・野党風与党を応援するための壮大洗脳以外の何ものでもない。
見る価値も論評する価値も皆無の無駄催事。大統領の言葉から首相の言葉から、全て音を消している。画面も見ない。頭を汚染する以外、意味はない。金を払って、時間を使って、洗脳されてはかなわない。
政府に批判的であるがゆえ番組を外されたとされる評論家氏発言も頂けないものだった。
「日本語シソーラス第2版」をいくらめくっても、腐敗・堕落・洗脳以外の表現思いつけない。
何度も書くが、報道機関ではなく、呆導機関を実感する一日だった。