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ウィキリークス:選挙で選ばれていないブラジル新大統領はアメリカへの情報提供者

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Eric ZUESSE
2016年5月20日

ウィキリークスが、2011年3月5日に公開した、サンパウロ在住のアメリカ秘密ブラジル人工作員、実は新たに任命されたブラジル大統領が提供した最新内部情報報告に関する一本のアメリカ国務省電報は、欧米‘報道’機関(ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ガーディアン、CNN、BBCなど)に無視されたままだ。

その工作員ミシェル・テメルが、今ブラジルで‘暫定’大統領に任命された以上、その電報の文脈は、理解のために重要だ。とりわけ、ブラジルの状況が、アメリカが支援するクーデター発生後、その国の政府指導者を、本質的にアメリカ大統領が選んできた他の最近の例と非常に良く似ているのだから。

ウクライナでの民主的に選ばれた大統領を打倒するアメリカによるクーデターの後、アメリカ大統領(彼の代理人ビクトリア・ヌーランド経由で)によって選ばれたアルセニー・ヤツェニュクが、2014年2月27日から、2016年4月まで、ウクライナ暫定首相をつとめた。民主的に選ばれたホンジュラス大統領を打倒する、アメリカが支援し、国内支配層が準備したクーデターの後、アメリカ大統領によって(ホンジュラスの、12の支配層、あるいは“オリガルヒ”家族の協力で)、ロベルト・ミチェレッティが、2009年6月28日から、2010年1月27日まで、ホンジュラスの暫定大統領をつとめた。いずれの場合も、アメリカ大統領が受け入れ可能な候補者のみが、その後の‘選挙’で競うことを許され、アメリカ政府の承認の下、こうした候補者それぞれに、 現地国民に対する壮大なプロパガンダが行われた。この工作により、‘暫定ではない’政権を作り出し、そうした政権が依然、今の独裁制を支配している。

2006年1月11日のこの電報は、在サンパウロ・アメリカ大使館のクリストファー・J・マクマレン総領事から、アメリカ国務長官、アメリカ南方軍、国家安全保障会議、中南米にある7つのアメリカ大使館と領事館宛てのものだ。それは、当時ブラジル国会議員で、ルーラとして知られる、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァの進歩派政党のブラジル与党が万一打倒された場合、アメリカCIAのために、ブラジルを乗っ取るべく立ち上げられた(イデオロギー皆無の)ブラジル民主運動党の当時PMDB党首でもあったテメルからの情報を伝えていた。ルーラが選んだ、ルーラの労働者党の後継者ディルマ・ルセフが、アメリカへの情報提供者テメルが、2016年5月12日、ブラジル議会によって、ブラジル大統領に就くまで、大統領の座にあった。

ルーラは、2011年まで大統領を勤め、その年、元大統領首席補佐官ルセフが、彼を引き継いだが、 半官半民のブラジル石油会社ペトロブラスから、ブラジル支配階級が資金提供することを拒否している彼の政党に、彼が違法に資金を移したという最近の警察情報に基づく起訴から彼を守るため、2016年3月16日、元大統領ルーラは大統領首席補佐官に任命された。労働者党は、支配層に猛反対されている。結果として、労働者党が存続し、国政選挙で勝利するためには、選択肢は二つしかなかった。労働者党は、支配階級と協力して、民衆が実際には支配できなくする(支配層が支配する)か、あるいは、党が選挙活動の資金を調達する別の方法を見つけ出すかだ。支配階級が法律を制定するのだから、それは違法なやり方になるのだが。結果的に、ルセフ大統領によるルーラの大統領首席補佐官への任命は無効だと、ブラジル最高裁は素早く裁定した。

ブラジルでは、主要会派がテメルの党PMDB党である議会を通して法律を制定する。

敵のディルマ・ルセフから、彼女が追い出された際に、政府を引き継ぐべく、ブラジル副大統領の座につくべく、彼の立ち回り方は以下の通りだ。ハフィントン・ポストのブラジル政治レポートで、ガジエル・カストロは下記のように説明している。“2010年、当時のルーラ大統領が、現在の上院議長レナン・カレイリョスと、現上院議員のジャデール・バルバリョに、ディルマの副大統領候補の名前をあげてくれまいかと頼んだ。当時の中央銀行総裁エンリケ・メイレレスを、ディルマの副大統領にさせようと、彼はできる限りのことをしようとした。PMDB議員達は拒否した。そこで、ルーラは、他に三人を指名してもらおうとした。数日後、二人の議員がやってきて、同じ答えをした。‘我々の指名は、ミシェル・テメル、ミシェル・テメル、そしてミシェル・テメルだ。’労働者党メンバーは、政府へのより多くのPMDB参加を彼が要求したので、テメルは貪欲すぎると考えたが、彼らは、彼の指名を受け入れるしか選択の余地がなかった。

そこで今、テメルは動き、大統領への一歩を踏み出したのだ。2014年9月(ウクライナにおける、アメリカのクーデターが成功して間もなく)アメリカ政府とサウド王家が、彼らが打倒したい主要産油国の支配者たち、特にロシア、ブラジルと、ベネズエラ支配者を、権力の座から追い出すため、石油価格を押し下げることに合意したので、今こそその時だったのだ。(ベネズエラは、世界でも最も石油に依存している経済なので、ブラジルよりもベネズエラでの結果の方が実際より酷い。)

2006年の電報の冒頭はこうだ。“議員で、ブラジル民主運動党(PMDB)党首のミシェル・テメルは、ルーラ大統領と労働者党(PT)に対して大衆が幻滅しているので、2006年大統領選挙で、PMDBが候補者を擁立する好機であると考えている。ところが、党内での分裂と、有力な候補者がいないため、PMDBは、ルーラのPT、あるいは、野党PSDBとの連合を強いられかねない”。

そして、十年後の今、テメルと、アメリカ政権と、ブラジル支配層は、鉄が十分熱くなったので、とうとう打ってでたというわけだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/05/20/wikileaks-brazil-new-unelected-president-us-informant.html
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植草一秀の『知られざる真実』
5月21日は東京銀座で反モンサント大行進

TPP成立を舌なめずりして待っている一社は確実にこの会社。

実質的クーデターを起こしたブラジルの政治家やら、ブラジル司法幹部のふるまい、この劣等列島とうり二つにみえる。

この国における、ブラジル政変報道、ブラジルの大政翼賛巨大メディア・グローボ並、あるいは、それ以下だろうと思う。

民進・玉木議員「共産党候補を推薦するようなことはありません」発言。 同じことを考えている民進党議員、多数いるだろう。何度か書いているサラリーマン時代の経験を思い出した。

サラリーマン十年目頃だっただろうか。メーデー前に、労働組合で若手が集まって、プラカードを描いていた時に、労組の幹部が「共産党だけは駄目だよなあ」というような趣旨の発言をした。「自民党だけは駄目だよなあ」という発言でなかったのに驚いた。以来社会党に投票するのを辞めた。それまでに、民社党という自民党別動隊には絶対に投票すまいと思っていたが。自民党そのもののような面々が多々いる民進党の顔ぶれで、民社党を思い出す。

ブラジル司法幹部が、宗主国のために尽くす政治家や、宗主国のための裁定をする背景、日本の検察が宗主国のための裁定をする背景と瓜二つである理由、下記でわかる。

IWJ 岩上安身による『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』著者・矢部宏治氏インタビュー  2016.5.20

「『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』著者・矢部宏治氏インタビュー:岩上安身氏」 twitter文字起こし?

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal


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